断乳に適した季節がある、というわけではないのですが、
桶谷式の創始者桶谷先生は、真夏・真冬、梅雨の時期は避けた方がよろしいと述べられています。
確かに、この季節は身体的に厳しい季節ですよね。
真夏や梅雨は、脱水や食中毒がこわいですし、
胃腸が疲れて、働きが鈍くなる季節です。
そういう季節に、赤ちゃんへ優しく栄養と水分補給ができて、身体(胃腸)に最も優しい母乳はやめないほうがいいということでしょうか。
胃腸と乳房機能の関係は深いので、ママのおっぱい的にも
この季節はあまり都合よくないのではないかと思われます。
真冬は、やはり感染症でしょうか。
感染症に最も効力を発揮するのが母乳ですから、
いろんな感染症が流行る冬の季節は、母乳があった方が断然安心です。
断乳後の乳房ケアでも問題があります。
断乳後は、乳房内にたまった母乳をできるだけ出しつくしていきたいので
開いて出す身体のコンディションの方がスムーズなのですが、
冬の身体は逆で、閉じて寒さをしのぐためにエネルギーを溜め込もうとします。
そのためかなかなかうまくいかないのです。
私は幸せなことに、世界一の手技(と私が勝手に思っています)をされる先生に
半年ほど研修させていただきました。
先生は腕があるので、季節問わずいつ断乳したお母さんでもサクッと診ていましたが、
その先生でさえ、真冬に断乳された方には手こずっていることがありました。
私の感覚では、11月の立冬くらいまで、
11月半ば過ぎてくると、うまくいかない感、すっきり終われない感じが断然増してきます。
そういうわけで当院では、12月から立春まで、断乳はすすめないですし、
できるだけご遠慮いただいています。
特に年末年始は、区切りだし休みも長いので
良いタイミングと思う方も少なくないのですが
むしろ逆で、一年通して最も断乳しない方がいい時期だと思います。
最も寒く乾燥して感染症が拡大して、医療機関は休みだし、何かあったらろくなことないです。
また、断乳手技後はお母さまに入浴を控えていただくことがあります。
そうすると、真冬と真夏は厳しいですよね。
心地よい季節は、気持ち的にも晴れやかになりますし、
日中、子供を思う存分外で遊ばせられれば、疲れて寝てもらえる期待もできます。
そんな、もろもろの都合もあります。